皮膚科の特定薬剤治療管理料【きちんと算定できていますか?】

皮膚科の保険算定

 特定薬剤治療管理料は、皮膚科では意外と算定し忘れている項目です。

 「アトピー性皮膚炎」・「乾癬」の診療をしている場合には算定できる可能性があります。

 ほかの算定項目と比べても点数が高いので算定忘れがないようにしたいですね。

  • 特定薬剤治療管理料って何?
  • どんなときに算定できるの?
  • 入院中でも算定できるの?

 という疑問をお持ちのかたへ!

 この記事では、算定の際の注意点を含めて解説しています。

皮膚科の特定薬剤治療管理料【シクロスポリン(ネオーラル)の飲み薬を使用していれば算定できる可能性があります!】

皮膚科の特定薬剤治療管理料

 特定薬剤治療管理料は、免疫抑制剤などの薬剤で血中濃度を測定して内服量を調整することについての保険算定です。

 皮膚科診療では、シクロスポリン(ネオーラル)を内服している「アトピー性皮膚炎」・「乾癬」で以下の項目を算定できる可能性があります。

B001 2 特定薬剤治療管理料
 イ 特定薬剤治療管理料1
470点

 また、初回の算定月は、初月加算として280点が470点に加えて算定できます。

特定薬剤治療管理料の算定条件は?

特定薬剤治療管理料の算定条件は?

 シクロスポリン(ネオーラル)を内服しているからといって、すべての「アトピー性皮膚炎」と「乾癬」の診察で算定できるわけではありません。

  1. 採血でシクロスポリンの血中濃度を測定して内服調整をしている場合に算定
  2. 月に1回まで算定できる
  3. 「アトピー性皮膚炎」は「既存治療で十分な効果が得られない患者」のみ算定
  4. 「乾癬」は、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬で算定
  5. 「皮膚科特定疾患指導管理料」や「在宅自己注射指導管理料」とは併算定可能
  6. 入院中も算定可能

 内服をしていても、血中濃度を測定していない場合には算定できないことには注意が必要です。

 「皮膚科特定疾患指導管理料」と併算定できる入院中も算定可能ということも大切ですね。

 外来・入院問わずに算定可能な管理料は珍しいので入院中も忘れずに算定したいところです。

 シクロスポリン(ネオーラル)は、腎機能低下の副作用があり、投与期間は限定的(数か月~2年)にすることが推奨されていますが、長期投与になってしまうこともしばしばあります。その場合にも定期的に採血をするほうがよいですね。

 ※アトピー性皮膚炎や乾癬の治療におけるシクロスポリン(ネオーラル)の用量では、血中濃度は測定しなくてもよい、というガイドラインもあります。(その際も腎機能などの採血は必要です。)

まとめ

まとめ

 いかがでしたか。まとめると次のようになります。

  • アトピー性皮膚炎」や「乾癬シクロスポリン(ネオーラル)を処方しており、採血でシクロスポリンの血中濃度を測定して内服調整をしている場合に月1回算定可能
  • 「皮膚科特定疾患指導管理料」と併算定可能
  • 入院中も算定可能

 シクロスポリンは副作用も多く、注意深く使用することが必要ですが、「皮膚科特定疾患指導管理料」との併算定もできて、470点と保険点数も高いので、できれば算定もれがないようにしたいですよね。

他の管理料算定についてはこちらにまとめています。

コメント

  1. […] 特定薬剤治療管理料 […]

  2. […] 特定薬剤治療管理料 […]

  3. […] 特定薬剤治療管理料 […]

タイトルとURLをコピーしました