「仕組みよりも費用が気になる!」というかたはこちらの表からそれぞれの費用についてのページをご覧いただけます。
病院やクリニックを受診する際に、いくらお金が必要か、心配だったことはありませんか?
病院には、定食屋さんのような、メニュー表がありません。ということで作ってみました!
- いくらお金がかかるの?
- 同じ処置でも病院によって費用が変わることがあるってホント?
- 診察料(初診・再診)はいくら?
- 検査や治療のそれぞれの値段は?
- 薬代は?
- にきび、水虫、かぶれの治療はいくらでできるの?
といった疑問をお持ちの方へ!
この記事では、「病院でのお金の仕組み」の説明から、その疑問にお答えします。
病院やクリニックでかかるお金の仕組み
日本の医療は、ほとんどが保険診療によってなりたっています。病院でかかる費用を考えるには、この仕組みを知っておく必要があります。
日本の保険制度では、
- 患者さんが病院を受診する。
- 病院で「診察・検査・処置・処方」を受け、それに応じた額が決まる。
- そのうちの一定の割合(通常3割)を患者さんが支払う。
- 残り(通常は7割)については、病院が「審査機関」にお伺いを立てる。
- 「審査機関」が認めた分が、翌々月に「社会保険料」から病院に支払われる。
受診の際に気になるのは、「2」の部分ですよね。
ただ、費用が決まるのに大切なのは実は「4・5」の部分です。
病院が、「ある病名」に対して「ある対応」をおこない、それを「審査機関」が認めれば医療費が支払われます。
審査機関がみられるのは「病名」と「請求」だけです。すべての「対応」と「請求」が一対一で決められているわけではなく、「どの請求としてお伺いをたてるか」は病院側に一部委ねられています。
例えばAという処置を行ったとしても、ちょうどあてはまる対応がリストになければ医療機関によって「B」という請求や「C」という請求でお伺いをたてることがあり、このため同じ対応でも「2」の部分での費用が変わってくるということがありえます。このことは「処置料」の項目でおこります。
では、医療機関がお伺いをたてる費用の内訳をみていきましょう。
皮膚科受診にかかるお金の内訳は?
※注意:多くの方の自己負担は3割なので、自己負担が3割の場合の値段で説明します。
診察料
初診料と再診料にわかれます。
初診料は、900円程度、再診料は、200円程度です。
ただし、クリニックなどの場合、再診時に検査や処置をしない場合には追加で150円程度費用(外来管理加算)がかかります。
また、病院に夜間や休日に受診する場合は、250円~1500円程度、紹介状なしで大病院を受診する場合は、初診で5000円以上、再診で2500円以上の費用が追加でかかります。
ただ、ここで大切なのは、
「初診・再診の定義」
です。
ここでいう初診というのは、「本当に初めてその病院を受診しました。」というときだけではなく、「前に受診してから1カ月以上たっていた場合」も初診として認められています。
ですので、予約などがなく、前に受診してから1カ月たつと、同じ症状でも、
再診料ではなく「初診料」がとられてしまうことがあります。
これは、病院によって「前に受診してから3ヵ月」だったりと病院側が別に決めていることもありますので、病院の方に聞いてみられてもよいと思います。
検査料
検査は、採血検査、細菌検査、画像検査、病理検査などがあります。
検査については、項目ごとに値段が大きく変わるので別の記事で書く予定です。
検査費用以外にも、採血や細菌検査には、それぞれ450円程度の「判断料・管理料」がかかるので注意が必要です。(特殊な検査の場合は、2000円程度となることもあります。)
また、当日に、検査の説明を受けた場合には、一項目につき3円追加されます。
処置料
処置も、検査同様、項目ごとに大きく値段が変わるので別の記事で書く予定としています。
ただ、処置の中には診察料に含まれるものがあります。(使用した薬代はかかります。)
- 「軽いやけど」や「床ずれ」以外の狭い範囲(500㎠未満)の軟膏治療
- 狭い範囲(500㎠未満)の傷の洗浄やガーゼ処置
- 軽いやけど(Ⅰ度熱傷といいます)の処置
ですので、これらの処置を受けても薬代以外の追加料金は発生しません。
面積や「やけど」の重症度は、医師の判断になります。
微妙な場合は聞いてみてもよいかもしれませんね。
処方料
お薬をもらうときには、「処方箋」が必要です。
処方箋料は、200円程度です。
ちなみに、ジェネリックでお願いすると、15-30円程度追加料金が発生します。
薬代が安くなる分よりは少ないので結果的にはお得になりますね。
薬の代金は、別の記事で書く予定です。
管理料・指導料
長期的に通院する場合に、その計画と指導に対してかかる費用です。
特定の病名がついている場合にかかるお金になります。
皮膚科では、皮膚科特定疾患指導管理料と呼ばれ、ⅠとⅡに分かれます。
Ⅰの病気では、月に1回750円
天疱瘡、類天疱瘡、エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)、紅皮症、尋常性乾癬
掌蹠膿疱症、先天性魚鱗癬、類乾癬、扁平苔癬、結節性痒疹、その他の痒疹
が、あてはまります
Ⅱの病気では、月に1回300円
帯状疱疹、じんま疹、16歳以上のアトピー性皮膚炎
尋常性白斑、円形脱毛症、脂漏性皮膚炎
が、あてはまります
よく目にする病気は、Ⅱのほうです。
アトピー性皮膚炎については、塗り薬の処方がなければ、この費用は基本的にかかりません。
ほかにも、難病の管理や血中濃度を測らなければならない特殊な薬を使っている場合には、それぞれ、月に1回800-1400円程度の費用が管理料として必要になります。
一般の方には難しいこともあるので、気になる時には、医師に聞いてみてもよいかもしれませんね。
皮膚科受診は最低いくらかかる?
実際どれくらいのお金がかかるのでしょうか?
先ほどの内訳の合計金額が、実際に支払うお金です。
一番安く済むのは、「再診」で、「処置や検査、処方」がない場合です。つまり、
再診料の200円程度が受診で最低限かかるお金です。
具体的には、
何かにかぶれてしまったときに、薬をもらう(初診)
↓ 数日後
治ったのをみせて、もうお薬は必要ない、と診断を受ける(再診)← 200円程度
の、再診時の費用が200円程度です。
クリニックなどでは再診時に検査や処置がなければ追加で150円程度(外来管理加算)かかります。
この場合、1回目が初診の場合には、検査がなかったとすれば、
初診料900円程度 + 処方箋料200円程度 (+ クリニックでは150円程度)
= 1100(~1250)円程度
になりますね。
そのほか、「水虫」や「ニキビ」などでの受診にかかる費用は、以下の記事でまとめています。
「かかるお金」がわかっていれば、病院を受診する際に、「いくら持っていけばよいのか」、ということがわかりますよね。
病院に行くときには、からだのことだけでも心配ですよね。
みなさんの「お金」の心配が、この記事で解決できればうれしく思います。