うちの病院のサージトロン(高周波メス)ボロくない?あれ大丈夫なのかな?
あー、確か 10 年くらい前に買ったやつだよね。
使えるならいいんじゃない?
それがさー、昨日処置中に全然動かなくなったんだよね。
しばらくしたら動いたんだけど。
そりゃだめだね。
でもまあ、だれかが管理してくれてるんじゃないの?
病院の医療機器って点検しなくてもいいの?
クリニックや病院で働いていると、とんでもなく古そうな機械を目にすることがあります。
そして、少々不具合があっても「使えていればそれでOK」という運用がされている場面に遭遇することがあります。
企業や団体が機械を使って仕事をする際、「点検」はどう考えても必要そうです。
法律的にはどうなのでしょうか?
例えば、自動車の例を見てみましょう。
車検は通常 2 年に 1 回、タクシーだと毎年
自動車も医療機器同様、適切な管理が行われていなければ人命にかかわる事故を引き起こします。
そこで、法治国家である日本では自動車の管理を法律に明記しています。
自家用車を持たれている方はご存じだと思いますが、2 年に 1 回は車検をおこない有効な自動車検査証の交付を受けなければなりません。
自動車(国土交通省令で定める軽自動車(以下「検査対象外軽自動車」という。)及び小型特殊自動車を除く。以下この章において同じ。)は、この章に定めるところにより、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない。
道路運送車両法 第五十八条第一項
車検が切れたまま運転をすると、「六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」という刑事罰まで規定されています。
罰則までは知らなくても、車検が必要なことは一般常識になっていますよね。
タクシー等のビジネスで車を使用する場合には、さらに厳しい条件が課されています。
具体的には自家用車なら 2 年に 1 回のところ、タクシーでは毎年車検をおこなう必要があります。
まあ、人を乗せる仕事をするわけですから、安全性に気をつけるのは当然ですよね。
では本題です。
医療機器の管理はどのような法律があって、罰則は決められているのでしょうか。
医療機器の分類は「薬機法」で定義され管理が必要
自動車同様、医療機器にも種類があります。
普段の診療で使用する医療機器の種類を意識することはないかもしれませんが、管理を必要とするか、管理に専門知識・技能が必要かで分類されています。
薬機法によると、図のように管理の必要性、管理の専門知識・技能の必要性で医療機器は分類されています。
管理医療機器・高度管理医療機器は、適切な管理がなければ有害事象が生じるリスクがあるもの、特定保守管理医療機器は、管理に専門知識・技能を要するものと定義されています。
しかし、薬機法では医療の現場でだれがこれらの管理を担うのか明示されているわけではありません。
医療機関での管理は「医療法」で定義され、医療機器安全管理責任者が担当
病院での医療機器の管理を定めているのは「医療法」です。
医療機関は「医療機器安全管理責任者」を配置し、すべての医療機器を安全に使用できるような措置を講じさせることとされています。
え、、イリョウキキアンゼンカンリセキニンシャ? なにそれ。
はい、そうなりますよね。
一度もそんなこと聞いたことないという病院の医師は多そうです。
この責任者はそもそも、医師である必要はありません。
看護師でも臨床工学技士でも放射線技師でもなることができます。
医師には縁がないケースが多いからかもしれません。
医療機器がボロくて医療事故が起こったら
医療機関にとってみれば、医療機器の管理というのは最も後回しになる業務のひとつです。
保守管理にはお金がかかるし、事務的な手間も軽視できません。
しかし法的に決まりがある以上、知らなかったではすまされません。
ただ、あまり管理されているようには思えませんよね。
医療法では罰則規定がない
その理由はこう。
「医療機器安全管理責任者の配置に医療法上、罰則規定がない」ということです。
守ってね!罰則はないけど!
医療法
といわれて、ちゃんとする人はあまりいません。
もちろん、守っていないことがばれてしまえば医療機関の開設許可取消・閉鎖命令という行政処分が検討されることはありえます。
が、実際にその処分が下ることはありません。
令和元年度の衛生行政報告例をみても、開設許可取消や閉鎖命令が下った例はありません。
ここまでゆるゆるなのは個人的にはかなりびっくりです。
「タクシー会社がタクシーの車検通してなくて客を乗せていても全然罪じゃないよ!」というレベルと同じですよね??
では、実質的に医療機器の管理がされておらず医療事故が起こった場合には何の罪にも問われないのでしょうか?
民法の善管注意義務違反による損害賠償請求
確かに、医療法では「医療機器安全管理責任者」の配置について特段の罰則はありませんし、実際に医療機関が閉鎖に追い込まれたというケースはほとんどないようです。
ただ、医療事故が起きてそれで何もないかというとそんなことはありませんよね。
そもそも医療行為というのは準委任契約といって一定水準の医療を提供することを患者に約束するものです。
医療事故が起こったときに問題となるのは「一定水準の医療が提供できていたかどうか」
専門用語でいうと「善管注意義務を果たしていたか」ということになります。
民事訴訟で○○万円の損害賠償請求、などというのが該当します。
そのほか、刑法の業務上過失傷害罪・業務上過失致死罪が該当するケースもありえそうです。(過去の事例から言うとよっぽどのことがなければ刑法で裁かれることはない)
医療機器安全管理責任者がやり玉にあがることは想像に難くありません。
自院の管理が微妙な場合、安請け合いはしないに越したことはありません。
一定水準以上の医療機器管理
なにやら、医療法では罰則はなさそうですが、民事上の損害賠償はありえそうです。
その際、ポイントとなるのが「一定水準以上の医療が提供できていたか」でした。
医療機器管理の一定水準とはなになのか、深掘りしてみます。
保守点検に関わる一定の水準【厚生労働省の告示】
医療機器の安全管理の水準について、厚生労働省が告示を出しています。
そこには
医療機関は管理する医療機器すべてについて安全管理をする義務がある
医療機器に係る安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点について(令和4年7月26日)
と記されています。
特に、次の 10 個の医療機器については保守点検計画の策定が求められています。
①人工心肺装置及び補助循環装置
②人工呼吸器
③血液浄化装置
④除細動装置(自動体外式除細動器(AED)を除く)
⑤閉鎖式保育器
⑥CT エックス線装置(医用 X 線 CT 装置)
⑦診療用高エネルギー放射線発生装置(直線加速器等)
⑧診療用粒子線照射装置
⑨診療用放射線照射装置(ガンマナイフ等)
⑩磁気共鳴画像診断装置(MRI 装置)
そして、この 10 個の医療機器に限れば、管理が運用されているということも多そうです。
しかし、処置や手術で使用するレーザー・電気メスといった医療機器はこの 10 個に入っていません。
本当にこれだけでよいのかというと、告示には「この10個が含まれる」と記載されているのみです。
つまり、本来はほかの医療機器についても保守点検計画の策定が必要とも解釈できます。(確かに体温計 1 つ 1 つにいたるまで保守点検計画の策定をするのは非現実的でしょう)
さらに、保守点検計画の策定については添付文書を参考にすることと記載されています。
添付文書【保守点検に求められる具体的な目安】
実は、医療機器の添付文書には、保守点検に関する事項が含まれています。
耐用年数(驚くほど短い)や日常点検、1か月点検の方法といった項目があります。
例えば、サージトロン(サージトロンDualEMC)という高周波メスでいうと、
- 耐用年数は 5 年
- 3か月点検は医療機関がおこなう
- 1年おきに専門家による点検をおこなう
と書かれています。
日常点検ならまだしも、電気系統の点検なんてさすがに病院の職員でできるわけはありません。
そのため、メーカーに発送して点検をしてもらうケースがでてきます。(もちろん有料が基本)
これは病院側の金銭的な「コスト」になります。
定期点検の費用(ランニングコスト)を考慮して購入
では、医療機関側の対応としてはどうすればよいのでしょうか。
添付文書に沿った専門的な点検には、費用がかかります。
ほとんど使われない医療機器に高額な保守点検コストがかかることは経営上避けたいところです。
医療機器を購入するフローを見てみると、委員会で議論されるのが一般的ではないでしょうか。
なんとなくの会議で購入を通してしまうと、保守点検費用をいれたら赤字だったということも起こりえます。(なんとなくの会議がいかに多いことか)
それを避けるには「利用者の見込み・耐用年数・点検費用の確認を行い、持続的に収益が発生するのか」という点を議論し戦略を練るほかありません。
日常点検の手間もそんなに小さくない
収益的にプラスだったとしても、抜けてしまいがちなのが、購入後の日常点検の管理の手間です。
医療機器にファイルなどを付随させて紙で管理するのか、それともエクセルなどで管理するのか、医療機器をどのように分類して管理していくのか、保守点検の仕組みを決める必要があります。
「収益性からみて、手間や人件費が妥当なのか」ということも検討する価値があると思います。
医療者は普段考えないことなので苦手なポイントですが、医療機器を管理するということにはそれだけの労力がいるということです。
身を守るためにも添付文書に沿った保守点検の仕組みづくりを【4 ステップで保守点検を管理する】
それにしても、あれこれこんがらがりそうです。
とはいえ、保守点検をおこなわず善管注意義務違反となるのは避けたいところ。
医療機器の保守点検について、具体的にはどのようなことを決めておけばよいのでしょうか。
おおまかには次の 4 ステップに従っておけば管理できると思います。
- 管理責任者・管理担当者・該当医療機器の決定
- 点検情報の透明化・管理手順の標準化
- 使用制限のルール作成
- アラートの管理
では、それぞれ見ていきます。
1. 管理責任者・管理担当者・医療機器の決定
まずは「どの医療機器を」「誰の責任で」「誰が実務上管理する」のかを明確にします。
ここが決まっていないと「なんとなく誰も管理しない」ということが起こります。
管理なんて、基本的には面倒な作業です。
具体的な仕事と責任者、実行者を明確に指定しておかないと、誰も進んでやりません。
これらが明確だと、もし管理が上手くいっていない場合に行動のレベル・ルールに基づいて注意することができます。(「この医療機器の管理担当は○○さんなので、決まりに従ってください」など)
しかし、曖昧なままだと、のらりくらりと言い訳ができます。
注意をしようとしても「ちゃんと仕事してください」という曖昧な指導となり実行力が伴いません。
さらにいうと「あいつは仕事ができない」などといった人格否定にもつながりかねない空気を醸成してしまいます。
このレベルになると、個々人で冷静に話し合うこともままなりませんので医療機器の管理するという目的を達成できなくなります。
通常の上司が思う「これくらいできるだろう」「雰囲気で感じ取ってくれ」というのは「上司の常識であって、管理される立場の常識ではない」ということを認識しなければなりません。
2. 点検情報の透明化・管理手順の標準化
つづいておこなうのは、具体的な点検管理方法の明確化です。
管理担当者がおこなうことを、ステップバイステップで定義します。
作業の頻度や中身は添付文書に従うとしても、管理がおこなわれているかの確認方法は医療機関側で決める必要があります。
管理担当者も、医療機器の管理だけが仕事ということはありません。
みな忙しくほかの業務もこなさなければならないでしょう。
管理責任者はそのことを心に留めておき担当者をサポートする必要があります。
具体的には、
- 管理担当者へのメンション(リマインド)
- 管理担当者による点検シート入力(紙管理・エクセル管理)
- 管理担当者による結果報告(管理シートに最新点検日を入力)
の 3 点です。
管理担当者へのメンション(リマインド)
忙しい管理担当者は、1 か月点検の日にちを忘れているかもしれません。
前日・当日にリマインドをすれば忘れるリスクは下がりますよね。
管理担当者による点検シート入力(紙入力・エクセル管理)
管理の記録も必要です。医療機器メーカーが紙の点検用紙を用意してくれていることもあります。
エクセルで管理できればよいですが、点検中にエクセルを入力することはそれなりの手間にはなりますね。
どのツールを使うかは、医療機関側のノウハウが出る場面でしょう。
管理担当者による結果報告(管理シートに最新点検日を入力)
管理担当者が点検項目に異常がないことを確認できれば、それを記録する必要があります。
責任者が管理するためにもデータとして管理する必要があります。
できれば「最新点検日」と「結果」をエクセルで確認したいです。
3. 使用制限のルール作成
管理担当者が点検を忘れていた場合、点検で異常があった場合、そのまま使用していては点検の意味がないですよね。
医療機器によってはどうしても替えが効かないものもあるはず。
病院運営に支障をきたさないようにするためには、機器ごとに一定の期間を設けて使用制限をおこなうのが妥当なように思います。
つまり、病院として医療機器ごとに使用制限のルールを決めておく必要があります。
1. 点検漏れ時の使用制限
まずは、点検漏れがあったときの使用制限です。
「点検できていなければ即日使用制限をおこなう」というのは実務上困ってしまうでしょう。
そこで緩衝材となる期間を設けます
例えば「毎日点検が必要なものは、1 週間点検漏れが続いていた場合に勧告期間と周知期間を設けて使用制限をおこなう」といったルールを定めておくのがよいでしょう。
医療機器の点検頻度 | 猶予期間 | 勧告期間 | 周知期間 |
毎日 | 1 週間 | 1 週間 | 3 日 |
週 1 回 | 1 か月 | 1 週間 | 3 日 |
月 1 回 | 3 か月 | 1 週間 | 3 日 |
年 1 回 | 6 か月 | 1 週間 | 3 日 |
猶予期間中は管理担当者に、バッファーとしての勧告期間中は管理責任者にも毎日アラートを表示すると使用制限前に点検をおこなえる可能性が高まりますよね。
勧告期間が過ぎてしまった場合、職員全体にアラートをおこなう 3 日連続の周知期間を経て使用制限をおこなうこととすれば、職員からしても突然使用制限がされることはありません。
アラートには管理担当者と管理責任者の名前を記載しておけば誰が担当なのかは明白です。
そこまでして点検が漏れるということは考えにくいでしょう。
2. 点検結果で異常があった場合の使用制限
また、点検をしていれば、かならずしも正常判定が続くわけではありません。
異常のレベル(異常によって起こる不利益の程度)と医療機器の代替性(替えが効くのか)によって対応を決めておく必要があります。
例えば、異常のレベルと医療機器の代替性を二段階で区切り対応を決めておくのもよいでしょう。
異常の 大小 | 対応 | 替えが効かない (1台しかない) | 替えが効く (2台以上ある) |
異常(小) | 使用可否 | ①使用 | ②使用は管理担当者が判断 |
管理担当者から管理責任者への即日報告 | 不要 | 不要 | |
管理担当者へのアラート (修理依頼が完了するまで) | 毎日 | 毎日 | |
修理依頼の期限と担当 | 1 週間以内に管理担当者 | 1 週間以内に管理担当者 | |
管理責任者へのアラート (修理依頼が完了するまで) | 修理依頼まで 1 週間を超えたら毎日 | 修理依頼まで 1 週間を超えたら毎日 | |
全職員へのアラート (修理依頼が完了するまで) | 修理依頼まで 1 か月を超えたら毎日 | 修理依頼まで 1 か月を超えたら毎日 | |
使用制限の全職員への周知 | 不要 | 制限する場合は即日 | |
点検頻度 | 毎日 | 使用する場合は毎日 | |
異常(大) | 使用可否 | ③使用は管理責任者が判断 | ④即日使用制限 |
管理担当者から管理責任者への即日報告 | 必要 | 必要 | |
管理担当者へのアラート (修理依頼が完了するまで) | 毎日 | 毎日 | |
管理責任者へのアラート (修理依頼が完了するまで) | 毎日 | 毎日 | |
修理依頼の期限と担当 | 管理責任者が即日 | 管理責任者が即日 | |
全職員へのアラート (修理依頼が完了するまで) | 修理依頼まで 1 週間を超えたら毎日 | 修理依頼まで 1 週間を超えたら毎日 | |
使用制限の全職員への周知 | 制限する場合は即日 | 即日 | |
点検頻度 | 使用する場合は毎日 | 使用しないので不要 |
点検のひと項目ごとに「それが大きな異常なのか、小さな異常なのか」ルールで定めておくと、業務がより具体的でしょう。
上記は一例ですが、問題が起こればより広い範囲に高頻度のアラートをおこなうような仕組みになっています。
異常があった場合の「修理依頼」「使用制限の決定者」まで〆切を設けてルールを検討するのがよいでしょう。
3. 使用制限の解除
使用制限をおこなう場合には、点検がおこなわれたり代替機が届いたり修理が完了して使用制限が解除される日がくるはずです。
使用制限の解除日は全体に周知する必要があります。
「使用できるようになる日がわかったとき」「使用制限が解除される前日」「当日」の 3 回、全職員に解除日を周知しておけば問題ないでしょう。
4. アラートの管理
いくらルールが決まっているからといってパソコンのようにすべてが自動で頭に入ってくるわけではありません。
人は忘れてしまうものとして仕組みづくりをおこなうのが妥当でしょう。
点検漏れや点検異常時のアラートを「いつ、だれに、どのタイミングで、どれくらいの頻度」で出すのか決めておく必要があります。
点検漏れアラート
1. 点検アラートの自動化(猶予期間に管理担当者にアラート)
使用制限のルールにもとづいて、管理担当者にリマインドをおこないます。
点検が漏れている猶予期間中は毎日管理担当者にアラートを飛ばすことで猶予期間中に点検をおこなえれば、管理責任者の手を煩わせることはありません。
さすがに、この作業を手作業でおこなうことは無理があります。自動化するためのツールを利用することが無難でしょう。
2. 勧告アラートの自動化(勧告期間に管理責任者にアラート)
猶予期間に管理担当者が点検をおこなかった場合、管理責任者にアラートが飛ぶ勧告期間に入ります。
管理責任者も暇ではありませんから、勧告期間に入る回数は少ないに越したことはありません。
勧告期間に入れば管理担当者にマイナス評価がつくような人事評価を設計することが大切です。
管理責任者から管理担当者に連絡し、「点検させる」か「管理責任者自身が点検」をおこなえば、アラートは終了します。
3. 使用制限アラートの自動化(周知期間に全職員にアラート)
管理担当者・管理責任者の目をすり抜けてしまった場合には、全職員にアラートを出します。
使用制限のタイムリミットが近づいていることを管理担当者・管理責任者の名前付きで全職員に知らせます。
ここまできて点検されないことは考えにくいですが、全職員としてもアラートは迷惑です。
このアラートが出た場合には、管理担当者・管理責任者にマイナス評価をつけることが必要です。
点検異常時アラート
そもそも、壊れたら修理せず捨てたりする医療機器や修理を要さない小さな異常はそもそも管理する必要はないかもしれません。
このあたりはどの医療機器を保守点検の計画にいれるのか検討する必要がありそうです。
通常、点検で異常が出た場合は修理依頼をおこないますよね。
使用制限のルールのところで一例を紹介しています。
異常の大きさや代替性によって、修理依頼の責任者を明確にし、漏れがあればより広い範囲にアラートを出すという点では点検漏れと同じ考え方にしています。
アラートを拡大する期限については、各医療機関ごとに対応が分かれる点だと思います。
複雑な作業はアプリで管理するという選択肢も
保守点検の仕組みづくりをこの記事では検討してみました。
アラートを出すなどの配慮をするには、思ったより複雑な仕組みが必要そうです。
エクセルやスプレッドシートだけで管理することはそこまでカンタンではなさそうです。
調べてみると、医療機器管理のためのアプリが開発されているようです。
たとえばこちらのアプリ。
2023 年 12 月時点では、コミュニケーションアプリと連携してメンションやアラートを飛ばす機能はなさそうです。
プロダクトを紹介する Web サイトは React と Gatsby という比較的あたらしい技術が使用されています。
API での連携をおこなえれば、コミュニケーションツールにアラートを飛ばす機能の追加も期待できます。
現在、導入している医療機関の数はまだ多くはありませんが、こうしたツールを使って管理すれば生産性を上げると同時に従業員の手間も節約でき(お金はかかるものの)一石二鳥といえるかもしれません。
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